禁断の扉


フグといえばどうしてもキモを食べたくなるものだ。
ここではそのキモを食べてみたい人の為に書いてみました。
フグ料理の決して踏み込んではいけない部分にあえて踏み込んでみましょう。

@毒にあたった時の症状をおなくなりになったK氏はこう言っておられました。
(もう少しこのままにしておいてくれ!)と、、
どうもあたると呼吸困難を起こすのだがそれがとても気持ちの良いものらしい?
口がしびれてきてロレツが回らなくなり体が動かなくなるようです。
その時、K氏は救急車を呼ぶのを拒んだそうです。
それで間に合わず亡くなった訳ですがこれも本望だったのかも知れません。

A私が修行時代にあった事ですが、師匠が(あいつは今調子にのってお客にキモを食べさせとるが今にありゃぁ〜殺すど!)と言ってられて1ヶ月もしない間に本当にそうなってしまいました。あのころはまだ、科学的に証明されていませんでしたからどのようになったらあたってしまうのか解らなかったのですが、、  師匠はよく解ってられて決してフグの免許をとる事を許してもらえませんでした。今はちゃんと科学的に証明され、県でもフグのキモを提供してはいけないように指示がでていますので私達も提供する事はありません。

B白土 三平の著書(白土 三平 野外手帳)の中でフグについて書かれているところがある。

その朝、味噌汁のダシにナゴヤフグ(ショウサイフグ)の皮とキモを(皮2尾分と3センチほどのキモを4、5切れ)入れた。身の方は晩飯にまわして手をつけなかった(漁村なので朝から魚のサシミを食べたりする。)
 食後30分ほどして、指先、唇、舌がおかしいので、一緒に食べた女房に聞いてみると、やはりシビレるという。そこで先輩の漁師(前にフグにあたった人)に電話で聞いてみると、「やったなぁ。でもそのくれえしゃべれるなら、てえしたこたぁなかっぺ」というので、喉へ指をつっこみ、食べたものを吐き、さらに水を飲んで寝ていたのだが、いわゆる食中毒のような、吐き気とか下痢はない。ただ物を見たり起き上がったりすると気持ちが悪くなるので寝てるしかなかった。
 私は3日間、女房は1日でなおった。その間、お湯を飲むと、小便に起きるだけなのだが、面白いのは歩いていても足の裏にタタミを感じないのである。ちょうど雲の中を歩いているようで、お湯を飲むときに持ち上げたヤカンや湯のみの重量を全く感じないのである。いわゆる知覚、運動マヒなのだろうが、後に、あの時重いバーベルでも持ち上げたらどうだったのだろうか?などと思ってみたものである。
 それと呼吸が普通の3分の1ほど不足する感じで、少し呼吸を早めにしてやるとつじつまが合うようだったのを記憶している。我々の場合は、このていどのことで済んだのだが、私の友人の漁師の例では、全身マヒを起こし、アワをふき、歯をくいしばり、目が覚めた時には歯が2本ほどなくなっていた(のみこんでしまったか?)ほどである。
 それでも彼は(我々もであるが)、今もフグを常食としているのである。

そんな事もふまえて先に進みましょう。

昔から漁師の間ではよくフグのキモを食べていました。毒が無いであろうフグのキモを食べるのだが私の知り合いにはやはりそれでもあたってしまった人もいらっしゃいますから、絶対安全であるとは言いきれません。

サバフグ

このフグのキモを食べてみましょう。
今回は身をタタキにして、キモといっしょに頂きます。

クチバシを身が残るように切ります。

頭の上からヒレにかけて包丁を入れ、上から頭をはずして上の写真のように皮ごとむきます。この時、キモをとっておきます。皮も食べますがざらざらが付いているところははずして(背中部分のざらざら)とっておきます。

このように皮と頭をのけてよく水洗いしいらない部分はとってしまいます。
透き通った感じのする身を確認して下さい。ビタものでないとサシミにはむきません。


うぐいす骨をとって3枚おろしにし、クチバシ、中骨、身、うぐいす骨にわけます。

身に金串を刺し強火で表面をこげるようにさっと焼いて身がしまっしくるのを確認して塩を入れた冷水に取ります。

布巾でよく水気をふいて冷蔵庫に保管します。この時、身は固くなっています。

水からキモを入れて火にかけます。これはキモが割れたりどろどろにならないようにするためです。
お湯からキモをゆがく時はさっと軽めにゆがいてサシミを食べるときに使います。
この場合、あまり使いすぎると独特の味とドクドクさは残ります。1尾のフグに対して少量のキモを使うようにします。これはほとんど生でキモをたべるようになってしまうからです。
独特のうまみはありますが、これも鮮度がよくなくてはできないことです。

このように真っ白になってしまいます。初めてゆがいたときはなんともいえない匂いが鼻についてしまいます。キモの一口目はやはり危ない味がするようです。だんだんなれればそれも気にならなくなるのがなんとも、、、
人によりますが、私は結構長めにゆがきます。ですからゆであがったキモは硬さがあります。柔らかくゆがいた場合、鍋に入れたりするとたちまち、鍋のダシは白くなってしまいます。残って冷めた鍋のダシを見るとたまらなくフグの油がでています。これを雑炊にするとぬるぬるとキモの臭さで私は頂けません。

冷水にとって冷まします。
硬さがあります。これを布巾などで水気をふいて冷蔵庫で保管します。

ヒレはこのようにして板などに貼り付けて乾燥させます。
これが後からフグ酒の材料になります。フグ酒をつくる場合は遠火でじっくりあぶりきつね色にしあげます。良い匂いがしてきたらできあがりでこれをかんかんにつけた酒の中に入れて香りとウマミを楽しみます。



とっておいた皮をゆでます。よく水洗いをしてヌメリを取ります。

あらも全部取り出すとこんな感じです。これを鍋にして食べます。
刺身はタタキにした身をちょっと厚く切って盛り付けます。あとは普通のフグと同じようにして頂きます。
鍋に入れてポン酢で頂くとまことにおいしいものです。
料理の蘊蓄)も参考にしてみて下さい。